電気機器組立てとは?仕事内容・年収・資格・特定技能を徹底解説【2026年版】

電気機器組立てとは?仕事内容・年収・資格・向いている人・特定技能まで徹底解説【2026年版】
私たちの生活や産業を支える電気機器は、多くの部品を正確に組み合わせることで作られています。
その製造現場で重要な役割を担っているのが**「電気機器組立て」**です。
電気機器組立てでは、図面や作業指示書に従って部品を取り付けたり、配線・接続、ねじ締め、はんだ付けなどを行い、電気機器を完成させます。製品によっては、組立後の動作確認や測定、検査なども行います。
この記事では、2026年時点の厚生労働省、出入国在留管理庁などの公的情報をもとに、電気機器組立ての仕事内容、給与・年収、必要な技能、資格、向いている人、将来性、特定技能1号・2号との関係まで詳しく解説します。
電気機器組立てとは?
電気機器組立てとは、電気を利用して動作する機器や装置について、部品の取付け、配線、接続、組立て、調整、確認などを行う仕事です。
対象となる製品や設備は勤務先によって大きく異なります。
例えば、
- 配電盤・制御盤
- 電気制御装置
- モーター関連機器
- 産業用電気機器
- 電気計測機器
- 電気機械器具
- 各種電気装置
などがあります。
また、電気・電子機器の製造現場では、基板への部品取付け、ねじ締め、はんだ付け、接着、組立て、測定などが行われる場合もあります。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、関連する電子機器組立について、部品の配置、基板への部品挿入、ねじ締め、はんだ付け、接着、機器の組立て、測定などが代表的な作業として紹介されています。
「電気機器組立て」と「電子機器組立て」の違い
名前が似ているため混同されやすいのが、電気機器組立てと電子機器組立てです。
一般的に電気機器組立てでは、電気を利用する機械・装置や制御機器などの組立てを扱います。
一方、電子機器組立てでは、
- プリント基板
- IC
- コンデンサー
- 抵抗
- 電子回路
など、電子部品・電子回路を扱う作業が中心となる場合があります。
ただし、実際の製造現場では電気と電子の技術が組み合わされている製品も多く、業務範囲が重なるケースがあります。
特定技能制度でも、「電気電子機器組立て」という業務区分が設けられており、その中の主な業務として「電気機器組立て」と「電子機器組立て」の両方が位置づけられています。
電気機器組立ての主な仕事内容
実際の仕事内容は製品や工場によって異なりますが、代表的には次のような作業があります。
1.部品の確認・準備
組立作業を始める前に、
- 図面
- 仕様書
- 作業指示書
- 部品表
などを確認します。
必要な部品の種類や数量を確認し、作業しやすいように所定の場所へ準備します。
部品を間違えると、その後の工程すべてに影響する可能性があるため、品番や数量を正確に確認することが重要です。
2.部品の取付け・組立て
準備した部品を、図面や作業手順に従って取り付けます。
例えば、
- 部品の差し込み
- 金具の取付け
- コネクタの接続
- ねじ締め
- ボルト締め
- カバーの取付け
- ユニットの組立て
などを行います。
製品によっては多数の小さな部品を扱うため、取り付け位置や方向を間違えない正確さが求められます。
3.配線・接続作業
電気機器では、各部品を電気的につなぐための配線作業が必要になる場合があります。
例えば、
電線を決められた長さに準備する
↓
端子を取り付ける
↓
図面や配線図を確認する
↓
指定された端子・機器へ接続する
といった作業です。
配線を間違えると、機器が正常に動作しないだけでなく、製品によっては安全性にも影響するため、正確な作業が重要です。
4.ねじ締め・ボルト締め
電気機器組立てでは、ドライバーやレンチなどを使用して部品を固定します。
職場によっては、
- 電動ドライバー
- トルクドライバー
- トルクレンチ
などを使用します。
特にトルクが指定されている場合は、強く締めればよいというわけではありません。
決められた締付け条件を守って作業することが求められます。
5.はんだ付け
製品によっては、電線や電子部品を接続するためにはんだ付けを行います。
関連する電子機器組立では、厚生労働省job tagでも代表的な作業としてはんだ付けが紹介されています。
はんだ付けでは、
- はんだ量
- 接続位置
- 加熱状態
- 接合状態
などを確認しながら作業します。
不十分な接続は接触不良や故障の原因となるため、経験と正確さが求められる作業です。
6.完成品の動作確認・測定
組立てが終わったら、正しく作動するか確認します。
例えば、
- 電源が入るか
- スイッチが正常に動くか
- 表示が正常か
- 異常な音がないか
- 電気的な数値が規格内か
- 各機能が正常に作動するか
などを確認します。
製品によっては測定器を使用して性能や動作を測定します。
厚生労働省job tagでも、関連する電子機器組立の業務として、測定器を操作して製品の性能や動作を測定する作業が示されています。
7.外観検査・最終確認
最後に、
- 傷がないか
- 部品の付け忘れがないか
- ねじの締め忘れがないか
- 配線位置が正しいか
- コネクタが確実に接続されているか
- ラベルが正しく貼られているか
などを確認します。
製造工程では、単に「組み立てる」だけでなく、決められた品質で正しく組み立てられているか確認することも重要です。
電気機器組立てで使われる主な工具・機器
仕事内容によって異なりますが、現場では、
- ドライバー
- 電動ドライバー
- トルクドライバー
- レンチ
- ニッパー
- ペンチ
- ワイヤーストリッパー
- 圧着工具
- はんだごて
- テスター
- 各種測定器
などが使用されます。
工具を正しく使うことは、作業効率だけでなく品質や安全性にも関係します。
電気機器組立ての給与・年収はどのくらい?
電気機器組立てだけを完全に切り分けた全国統計は限られているため、参考として厚生労働省job tagの関連職種**「電子機器組立」**の統計を見てみましょう。
令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした全国データでは、
平均年収:446.1万円
一般労働者の1時間当たり賃金:2,161円
平均年齢:44.1歳
平均労働時間:月160時間
となっています。
また、job tagに掲載されている令和6年度のハローワーク求人統計では、
求人賃金:月額22.3万円
有効求人倍率:2.62倍
となっています。
なお、令和7年度の月別求人賃金を見ると、おおむね月額21万円台後半~24万円台で推移しています。
ただし、これらは**「電気機器組立て」だけを対象とした統計ではなく、関連する職業分類の数値を含みます。**
実際の給与は、
- 勤務地域
- 企業規模
- 経験年数
- 保有資格
- 夜勤・交替勤務
- 残業時間
- 担当する製品
- 配線・はんだ付け等の技能
などによって異なります。
電気機器組立ては未経験でもできる?
仕事内容によっては、未経験から始められる仕事もあります。
特に、作業手順書が整備されている製造ラインでは、入社後に部品の名前や工具の使い方を覚えながら仕事を身につけることもできます。
一方で、
- 電気の基礎知識
- 図面の読み方
- 配線図の読み方
- 工具の使用経験
- はんだ付け
- 圧着作業
- 測定器の使用
- 品質管理
などの知識・経験があると、より幅広い業務を担当しやすくなります。
電気機器組立てで役立つ資格・技能
電気機器組立てでは、仕事内容によって役立つ資格や技能が異なります。
代表的なものとして、
- 電気機器組立てに関する技能検定
- 電気・電子系の基礎知識
- はんだ付け技能
- 圧着作業
- 配線作業
- 図面・回路図の読解
- 測定器の使用経験
などが挙げられます。
資格が必須ではない求人でも、実務経験や技能を持っていることで就職・転職時のアピール材料になる場合があります。
電気機器組立ての仕事はきつい?
電気機器組立てでは、重量物を扱う仕事ばかりではありません。
一方で、
- 長時間の立ち作業
- 同じ姿勢での作業
- 細かい部品を扱う作業
- 繰り返し作業
- ラインの生産速度に合わせた作業
- 集中力が必要な検査
- 交替勤務・夜勤
などが発生する職場もあります。
細かな組立てを長時間続ける場合は、目や手、肩などに疲れを感じることもあります。
ただし、実際の負担は製造する製品や設備、工場の生産方式によって大きく異なります。
電気機器組立ての将来性
製造現場では自動化やロボット化が進んでいます。
しかし、電気機器は製品ごとに構造や部品構成が異なり、人による組立て、調整、検査が必要な工程も残っています。
また、自動化設備が増えることで、
単純な組立てだけができる人
から、
図面を理解できる人
配線・接続ができる人
測定・検査ができる人
設備を操作・監視できる人
へと、求められる技能が変化していく可能性があります。
そのため、組立作業だけでなく電気・電子の基礎知識や測定技能を身につけることが、長期的なキャリア形成につながります。
外国人も電気機器組立ての仕事ができる?
在留資格の条件を満たせば可能です。
特に外国人材に関係するのが**在留資格「特定技能」**です。
出入国在留管理庁が公表している2026年の工業製品製造業分野では、特定技能1号の業務区分として**「電気電子機器組立て」**が設けられています。
これは、指導者の指示を理解し、または自らの判断により、電気電子機器等の製造工程・組立工程に従事する業務です。
その主な業務には、
機械加工/仕上げ/プラスチック成形/プリント配線板製造/電子機器組立て/電気機器組立て/機械検査/機械保全/工業包装/強化プラスチック成形
などが含まれています。
また、「電気機器組立て」は特定技能1号の機械金属加工区分の主な業務にも含まれています。
つまり、電気機器組立ては、一定の条件を満たす外国人が特定技能として日本の製造業で働く際の対象業務の一つです。
電気機器組立てで特定技能1号になるには?
工業製品製造業分野で特定技能1号として働く場合、原則として対象となる技能試験と日本語試験への合格が必要です。
電気電子機器組立て区分では、
製造分野特定技能1号評価試験(電気電子機器組立て)
が技能水準を確認する試験として定められています。
日本語能力については原則として、
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
または
日本語能力試験(JLPT)N4以上
が基準となっています。
技能実習2号を良好に修了している場合など、条件によって試験が免除されるケースもあるため、本人の技能実習職種・作業や経歴を確認することが重要です。
電気機器組立ては特定技能2号を目指せる?
要件を満たせば特定技能2号を目指すことが可能です。
出入国在留管理庁によると、工業製品製造業分野の特定技能2号には**「電気電子機器組立て区分」**があります。
特定技能2号では、
複数の技能者を指導しながら、電気電子機器等の製造工程・組立工程の作業に従事し、工程を管理する
ことが求められます。
その主な業務には**「電気機器組立て」**も明記されています。
そのため、特定技能1号で組立技能や製造経験を積み、
組立作業者
↓
熟練作業者
↓
後輩・他の技能者への指導
↓
工程管理
とステップアップし、要件を満たしたうえで特定技能2号を目指すキャリアも考えられます。
特定技能2号になると何が変わる?
特定技能1号には在留期間の通算上限がありますが、特定技能2号では更新を続けることが可能で、在留期間の通算上限はありません。
また、一定の条件を満たせば家族の帯同も認められます。
ただし、特定技能2号では単に長期間働いているだけではなく、対象となる技能水準や実務経験などの要件を満たす必要があります。
そのため、将来的に2号を目指す場合は、組立作業だけでなく、工程全体を理解し、他の作業者を指導できるレベルまで技能を高めることが重要です。
電気機器組立てのキャリアアップ
電気機器組立てでは、経験を積むことで担当できる仕事を増やしていくことができます。
例えば、
部品準備・簡単な組立て
↓
ねじ締め・部品取付け
↓
配線・圧着・はんだ付け
↓
測定・動作確認
↓
図面・配線図を見ながら組立て
↓
不具合への対応
↓
作業者への指導
↓
工程管理・リーダー
といったキャリアが考えられます。
特に、組立て+配線+測定+検査+工程管理まで対応できる人材になれば、製造現場でより幅広い役割を担える可能性があります。
まとめ|電気機器組立ては日本のものづくりを支える重要な仕事
電気機器組立ては、電気機器や装置について、部品の取付け、ねじ締め、配線、接続、はんだ付け、組立て、測定、動作確認などを行う仕事です。
正しい位置に正しい部品を取り付け、図面や作業指示書どおりに製品を完成させる必要があるため、手先の器用さだけでなく正確性・集中力・品質意識が求められます。
厚生労働省job tagの関連職種「電子機器組立」の統計では、令和7年の全国平均年収は446.1万円、一般労働者の1時間当たり賃金は2,161円、平均労働時間は月160時間となっています。なお、これらは「電気機器組立て」だけを完全に切り分けた統計ではありません。
また、電気機器組立ては、特定技能「工業製品製造業分野」の対象業務として明確に位置づけられています。
特定技能1号で経験を積み、必要な技能や実務経験を身につけることで、将来的には特定技能2号や工程管理、現場リーダーを目指すキャリアも考えられます。
電気や機械に興味がある人、細かな作業を正確に行うことが得意な人、日本の製造業で専門的な技能を身につけたい人にとって、電気機器組立ては長期的なキャリア形成につながる仕事の一つといえるでしょう。
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