溶接とは?仕事内容・年収・資格・向いている人・特定技能を徹底解説【2026年版】

溶接とは?仕事内容・年収・資格・向いている人・特定技能まで徹底解説【2026年版】
自動車、産業機械、建設機械、鉄骨、船舶など、日本のものづくりでは多くの金属製品が使用されています。
こうした金属部品や材料を強固につなぎ合わせるために欠かせない技術が**「溶接」**です。
溶接は、熱や圧力などを利用して金属同士を接合する技術であり、製造業から建設業まで幅広い分野で活用されています。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、溶接工について、熱を利用して金属材料を接合する仕事と説明しており、溶接は接合方法によって**「融接」「圧接」「ろう接」**に分類されています。
この記事では、2026年時点の公的情報をもとに、溶接の仕事内容、種類、平均年収・給料、必要な資格、向いている人、将来性、さらに外国人が特定技能として働く場合のポイントまで詳しく解説します。
溶接とは?
溶接とは、主に金属材料を熱や圧力などによって接合し、一体化させる加工技術です。
厚生労働省job tagでは、代表的な「融接」について、母材の接合部分をガス炎、アーク、電子ビーム、レーザーなどで加熱し、母材と溶加材を溶融・凝固させることで接合する方法と説明しています。
例えば、2枚の鉄板をつなぎ合わせる場合、ボルトで固定する方法もあります。
一方、溶接では接合部分そのものを溶融させるなどして、一体化させます。
そのため、溶接は、
- 自動車・自動車部品
- 産業機械
- 建設機械
- 鉄骨
- 金属製品
- 鉄道車両
- 船舶
- 各種設備
など、非常に幅広い分野で使用されています。
単に「金属をくっつける仕事」ではなく、製品の強度・耐久性・安全性を支える重要な技術です。
溶接の主な仕事内容
溶接工の仕事内容は、製造する製品や使用する溶接方法によって異なります。
一般的には、次のような作業を行います。
1.図面・作業指示書の確認
作業前に図面や作業指示書を確認します。
確認するポイントは、
- 溶接する位置
- 部品の寸法
- 材料の種類
- 溶接方法
- 溶接する長さ
- 接合部分の形状
などです。
製品によっては、わずかな位置のずれでも組立てや品質に影響するため、図面を正しく理解する力が重要になります。
2.材料の準備・仮付け
本溶接を行う前に、材料を決められた位置へ合わせます。
必要に応じて治具やクランプなどを使用し、部品が動かないよう固定します。
その後、部品同士を一時的に固定するために行うのが**「仮付け溶接」**です。
仮付けの位置や精度が悪いと、本溶接後に製品がゆがんだり寸法が合わなくなったりする可能性があります。
そのため、本溶接だけでなく材料を正確に位置決めする技能も重要です。
3.溶接条件の設定
溶接方法や材料に応じて、機械の条件を調整します。
例えば、
電流・電圧・ワイヤ送給速度・ガス流量
などです。
材料の種類や板厚などに適した条件で作業しなければ、十分な接合強度が得られない場合があります。
4.本溶接
準備ができたら本溶接を行います。
溶接中は、
- トーチや溶接棒の角度
- 母材との距離
- 移動速度
- 溶接位置
- 溶融状態
などを確認しながら作業します。
一定の品質で溶接するためには、知識だけでなく経験によって身につける技能も重要です。
5.仕上げ・清掃
溶接後には、必要に応じて溶接部分を清掃します。
溶接方法によってはスラグなどを除去したり、グラインダーを使用して表面を仕上げたりする場合があります。
製品によっては、この後に塗装や組立てなど次の工程へ送られます。
6.溶接部分の検査
溶接が完了したら、接合部分に問題がないか確認します。
例えば、
- 割れ
- 穴
- 溶接不足
- ビード形状
- 溶接位置
- 変形
- 寸法
などを確認します。
製品によっては、外観検査だけでなく非破壊検査などを行うこともあります。
溶接は製品の強度や安全性に関係するため、「溶接したら終わり」ではなく、品質を確認するところまでが重要です。
溶接にはどんな種類がある?
溶接には非常に多くの方法があります。
厚生労働省job tagでは、大きく**「融接」「圧接」「ろう接」**に分類しています。
製造現場でよく知られている代表的な方法を見てみましょう。
アーク溶接
アーク溶接は、電気の放電現象であるアーク放電によって発生する高熱を利用する方法です。
厚生労働省「職場のあんぜんサイト」では、母材と電極との間に発生するアークの高熱で母材や溶加材を溶融し、一体化させる方法と説明しています。
アーク溶接には、
- 被覆アーク溶接
- TIG溶接
- MIG溶接
- MAG溶接
- サブマージアーク溶接
など、さらに複数の種類があります。
半自動溶接
製造業で広く使用されている方法の一つです。
溶接ワイヤが自動的に供給され、作業者がトーチを操作して溶接します。
厚生労働省job tagでは、近年は半自動溶接機を使用することが多いとされています。
ガス溶接
可燃性ガスと酸素を使用して発生させた炎で金属を加熱し、接合・切断などを行う方法です。
厚生労働省によると、ガス溶接は金属の接合だけでなく溶断や加熱にも利用されています。
TIG溶接
TIG溶接はアーク溶接の一種です。
比較的きれいな仕上がりが求められる製品などで使用され、ステンレスやアルミニウムなどの溶接にも利用されています。
製品や材料によって必要な溶接技術が異なるため、複数の溶接方法を扱えることは技能者としての強みになります。
溶接の給与・年収はどのくらい?
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」に掲載されている**「溶接工」**の最新統計では、全国の賃金状況は次のようになっています。
| 項目 | 全国 |
|---|---|
| 平均年収 | 454.7万円 |
| 一般労働者の1時間当たり賃金 | 2,037円 |
| 平均年齢 | 41.8歳 |
| 平均労働時間 | 月167時間 |
| ハローワーク求人賃金 | 月額25.4万円 |
| 有効求人倍率 | 2.67倍 |
平均年収・年齢・労働時間は令和7年賃金構造基本統計調査を加工したデータ、求人賃金と有効求人倍率は令和6年度のハローワーク統計です。
また、job tagに掲載されている月別データを見ると、令和8年3月の求人賃金は月額26.6万円となっています。
ただし、実際の給与は、
地域・経験年数・資格・溶接方法・夜勤・残業・企業規模・担当製品
などによって変わります。
特に専門性の高い溶接技術や資格、経験を持っている場合は、就職・転職時の強みになるでしょう。
溶接は未経験でもできる?
未経験から溶接工を目指すことは可能です。
厚生労働省job tagによると、溶接工への入職にあたって、特定の学歴や資格が必須とされているわけではありません。
工業高校などから就職するケースのほか、公共職業訓練などで技能を身につけてから働く人や、他職種から転職する人もいます。
ただし、実際にアーク溶接やガス溶接を行う場合には、法律に基づいて必要な教育・講習があります。
そのため、
基礎知識を学ぶ
↓
安全教育・講習を受ける
↓
簡単な溶接作業
↓
仮付け
↓
本溶接
↓
さまざまな姿勢・材料の溶接
↓
品質管理・後輩指導
という形で技能を高めていくことが考えられます。
溶接に向いている人
溶接では、一定の品質を保ちながら正確に作業することが重要です。
厚生労働省job tagでも、重量物を扱ったり、かがんだ姿勢や立ち作業があったりするため体力が求められるほか、忍耐力、腕の器用さ、視力なども重要とされています。
そのため、
- ものづくりが好きな人
- 手を使った作業が得意な人
- 集中力がある人
- コツコツ技能を磨ける人
- 図面を見ることに抵抗がない人
- 細かな違いに気づける人
- 体を使う仕事が苦にならない人
- 安全ルールを守れる人
などに向いている仕事といえるでしょう。
特に溶接は、経験によって仕上がりの安定性が変わるため、長期的に技術を磨きたい人に向いている専門職です。
溶接で必要・役立つ資格
溶接では、作業内容によって法律上必要となる教育や講習があります。
代表的なのが次の2つです。
アーク溶接特別教育
アーク溶接機を使用して金属の溶接・溶断などを行う場合、特別教育の修了が必要です。
厚生労働省もアーク溶接作業者について、労働安全衛生規則第36条第3号に基づく特別教育修了を資格・教育要件として示しています。
ガス溶接技能講習
可燃性ガスと酸素を使用して金属の溶接・溶断・加熱を行う場合には、ガス溶接技能講習の修了が必要です。
さらに、経験を積んだ人には、
- ガス溶接作業主任者
- 溶接技能者
- アーク溶接技能者
- ステンレス鋼溶接技能者
- アルミニウム溶接技能者
- 溶接作業指導者
- 溶接管理技術者
など、専門性を証明するさまざまな資格があります。厚生労働省のハローワーク資格一覧にもこれらの溶接関連資格が掲載されています。
外国人も特定技能で溶接の仕事ができる?
はい。条件を満たせば可能です。
2026年の特定技能制度では、「溶接」は工業製品製造業分野・機械金属加工区分の主な対象業務として明記されています。
出入国在留管理庁によると、特定技能1号の機械金属加工区分では、指導者の指示を理解し、または自ら判断しながら製造工程の作業に従事します。その主な業務の一つとして「溶接」が含まれています。
JAIMが公表している2026年度の製造分野特定技能1号評価試験では、機械金属加工区分の対象業務として、
「手溶接」
「半自動溶接」
が明記されています。
つまり、条件を満たす外国人にとって、溶接は日本の製造業で専門技能を身につけながら働ける職種の一つです。
溶接で特定技能1号になるには?
工業製品製造業分野の「機械金属加工区分」で特定技能1号を目指す場合、原則として技能水準と日本語能力の要件を満たす必要があります。
出入国在留管理庁の2026年資料では、技能水準について製造分野特定技能1号評価試験(機械金属加工)、日本語能力については原則として、
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
または
日本語能力試験(JLPT)N4以上
が示されています。一定の技能実習2号良好修了者などについては試験免除の仕組みがあります。
2026年度から製造分野特定技能評価試験はJAIMが案内しており、機械金属加工区分には手溶接・半自動溶接も含まれています。
なお、実際の在留資格申請では、試験合格だけでなく、受入れ企業・本人・雇用契約・業務内容などの要件も確認する必要があります。
溶接は特定技能2号を目指せる?
はい。溶接は特定技能2号へのキャリアアップが可能な業務です。
出入国在留管理庁によると、工業製品製造業分野の特定技能2号「機械金属加工区分」にも溶接が含まれています。
2号では1号より高い技能水準が求められ、複数の技能者を指導しながら製造工程の作業に従事し、工程を管理することが想定されています。
JAIMによる2026年度の製造分野特定技能2号評価試験は、機械金属加工など3区分で実施され、実技試験はCBT方式で80分、合格基準は正答率60%以上です。
また、学科については別途ビジネス・キャリア検定3級を受験する仕組みとなっており、試験水準は技能検定1級相当とされています。
そのため、
溶接作業
↓
複数の溶接方法を習得
↓
図面・品質管理
↓
不良原因の判断・改善
↓
後輩・技能者への指導
↓
工程管理
という形でキャリアアップしていくことも考えられます。
2026年の特定技能「溶接」で知っておきたいこと
2026年6月1日には、工業製品製造業分野の特定技能に関する基準改正が施行されています。出入国在留管理庁も2026年6月25日時点の制度情報を公開しています。
また、JAIMが公表する2026年度の特定技能1号評価試験では、第1回が2026年7月に実施され、第2回は2026年11月9日~15日、第3回は2027年2月頃が予定されています。国内に加えて、ベトナム、インドネシア、フィリピン、インド、ミャンマーなど海外での実施も案内されています。
制度や試験日程は更新される可能性があるため、受験・申請時には最新情報を確認することが重要です。
溶接の将来性・キャリアアップ
厚生労働省job tagでは、溶接工の令和6年度有効求人倍率は2.67倍となっています。
溶接技術は、
自動車
産業機械
建設機械
鉄骨
鉄道車両
船舶
など幅広い分野で必要とされています。
自動化が進んでも、すべての溶接をロボットに置き換えられるわけではありません。
特に、
手溶接・半自動溶接
↓
TIG・MIG・MAGなどの専門技能
↓
図面・検査
↓
溶接ロボット操作
↓
品質管理
↓
後輩指導
↓
工程管理・溶接管理
と技能を広げることで、より専門性の高い人材を目指すことができます。
外国人材についても、特定技能1号から経験を積み、条件を満たせば特定技能2号を目指せるため、長期的なキャリア形成を考えられる製造職の一つといえるでしょう。
まとめ|溶接は日本のものづくりを「つなぐ」重要な技術
溶接とは、熱などを利用して金属材料を接合する技術です。
自動車、機械、鉄骨、船舶、鉄道車両など幅広い分野で利用されており、製品の強度・耐久性・安全性を支える重要な仕事です。
厚生労働省job tagによると、溶接工の全国平均年収は454.7万円、一般労働者の1時間当たり賃金は2,037円、平均年齢は41.8歳、平均労働時間は月167時間です。また、令和6年度のハローワーク求人賃金は月額25.4万円、有効求人倍率は2.67倍となっています。
未経験から目指すこともできますが、アーク溶接やガス溶接など実際の作業内容に応じて、法律で定められた特別教育や技能講習を修了する必要があります。
また、溶接は2026年の特定技能「工業製品製造業分野・機械金属加工区分」の対象業務であり、特定技能1号から2号へのキャリアアップも可能です。
ものづくりが好きな人、手を使った作業が得意な人、専門的な技術を長く磨いていきたい人にとって、溶接は経験を積みながら専門性を高められる仕事といえるでしょう。
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