鉄工とは?仕事内容・平均年収・必要な資格・将来性を徹底解説【2026年最新版】

鉄工とは?仕事内容・平均年収・将来性を徹底解説【2026年最新版】
「鉄工(てっこう)」と聞くと、鉄を切ったり溶接したりする仕事をイメージする人が多いかもしれません。
実際の鉄工の仕事はそれだけではありません。
建物や工場、橋などに使用される鉄骨・鋼構造物を、図面に基づいて加工し、溶接・組立・検査まで行う「ものづくり」の専門職です。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、鉄骨工の職業分類として「鉄工、製缶工」などが示されており、職業別名には「機械鉄工」「橋りょう鉄工」「建築鉄工」「造船鉄工」などがあります。
2026年時点の公的統計では、関連職種の平均年収は約506.6万円。さらに、ハローワークの有効求人倍率は7.64倍と高く、人材需要の大きい職種の一つとなっています。
この記事では、鉄工の仕事内容から給料、資格、向いている人、将来性まで詳しく解説します。
鉄工とは?
鉄工とは、鉄や鋼材などの金属材料を加工し、建築物や機械、設備などに使われる部材・構造物を製作する仕事です。
日本標準産業分類では「鉄骨製造業」が製造業 → 金属製品製造業 → 建設用・建築用金属製品製造業の中に分類されています。
特に鉄骨工の場合、高層ビルや工場などの大型建築物を支える鉄骨を工場で製作します。
単純に鉄を加工するだけではなく、
図面を確認する → 材料を加工する → 部品を組み立てる → 溶接する → 完成品を検査する
という一連の製造工程に関わる仕事です。
近年はNC加工機やCADなどの導入が進み、従来の職人的な技術に加えて、機械操作や図面を読み取る能力も重要になっています。
鉄工の主な仕事内容
鉄工の仕事内容は勤務先や製品によって異なりますが、鉄骨製作では主に次のような工程があります。
1.図面・製作資料の確認
最初に設計図を確認し、製作する鉄骨の形状や寸法を把握します。
会社や担当業務によってはCADやコンピュータを使用して、
- NCデータ
- 製作図面
- 材料リスト
- 原寸型板
などを作成します。
鉄骨は建築物ごとに形や寸法が異なるため、図面を正確に読み取る能力が非常に重要です。
2.切断・穴あけ
設計図に合わせて、厚鋼板や形鋼などの材料を必要な長さ・形状に加工します。
具体的には、鋼材の切断、穴あけ、削り加工などを行います。
ボルトを通すための穴を開けたり、次の加工位置が分かるように印を付けたりすることもあります。
3.曲げ・成形加工
必要に応じてプレス機やローラーなどを使用し、鋼材を指定された形状に加工します。
製品によって形状が異なるため、機械を操作するだけでなく、加工後の寸法を確認することも大切です。
4.組立
加工した部品を設計図どおりに組み合わせます。
大型の鉄骨の場合はクレーンなどを使用して部材を移動させ、正しい位置に合わせながら組み立てていきます。
数ミリ単位のズレが製品品質に影響することもあるため、正確な作業が求められます。
5.溶接
組み合わせた鉄骨や部品を溶接して固定します。
鉄工の現場では溶接が非常に重要な技能の一つです。
代表的なものには、
- アーク溶接
- 半自動溶接
- ガス溶接
などがあります。
溶接は建築物や構造物の強度にも関係するため、技術だけでなく品質管理も重要になります。
6.仕上げ・検査
製品が完成したら、
- 寸法に間違いがないか
- 変形していないか
- 溶接部分に欠陥がないか
- 図面どおりに製作されているか
などを確認します。
検査に合格した鉄骨は建設現場などへ輸送され、実際の建築物に使用されます。
鉄工で使われる主な機械・工具
鉄工では仕事内容によってさまざまな設備を使用します。
代表的なものは、CAD、NC加工設備、プレス機、ローラー、クレーン、溶接機、ドリルなどの電動工具、測定器具などです。
また、安全に作業するため、ヘルメット、保護メガネ、手袋、安全靴などの保護具も欠かせません。
工場の自動化は進んでいますが、厚生労働省のjob tagでは、特に組立や矯正などの工程には現在も経験や技能が必要な部分が残っていると説明されています。
鉄工の平均年収・給料はどのくらい?
厚生労働省「job tag」に掲載されている、鉄骨工が属する主な職業分類「鉄工、製缶工」等の統計では、2026年時点で確認できる全国データは次のようになっています。
| 項目 | 全国データ |
|---|---|
| 平均年収 | 506.6万円 |
| 平均年齢 | 43.5歳 |
| 労働時間 | 169時間/月 |
| 一般労働者の1時間当たり賃金 | 2,258円 |
| ハローワーク求人賃金 | 月額25.4万円 |
| 有効求人倍率 | 7.64倍 |
※平均年収・年齢・労働時間等は令和7年賃金構造基本統計調査を加工したデータ。求人賃金・有効求人倍率は令和6年度のハローワーク求人統計。職業分類単位の統計であり、すべての「鉄工」従事者だけを表す数値ではありません。
特に注目したいのが、平均年収506.6万円と有効求人倍率7.64倍という数字です。
有効求人倍率7.64倍とは、単純に考えると求職者1人に対して7件以上の求人がある水準を示します。
鉄工・鉄骨関連の技能を持つ人材に対する企業側の採用需要が大きいことが分かります。
また、ハローワークにおける求人賃金も上昇傾向にあり、2026年3月には全国平均で月額26.2万円となっています。
鉄工は未経験でも働ける?
鉄工は、未経験からでも目指すことができる職種です。
厚生労働省のjob tagによると、鉄骨工として就職する際、特定の学歴や資格が必須とされているわけではありません。
実際に働き始めてから、
図面の読み方 → 工具の使い方 → 加工機械の操作 → 組立 → 溶接
というように、実務経験を積みながら専門技術を身につけていくケースがあります。
ただし、鉄工は経験によって作業スピードや加工精度に差が出やすい仕事です。
一人前になるにはある程度の経験が必要と考えた方がよいでしょう。
鉄工に必要な資格は?
入社するだけであれば資格が必須ではないケースもありますが、担当する作業によって資格や講習が必要になります。
特に代表的なのが鉄工技能士です。
鉄工技能士は、厚生労働省の技能検定制度に基づく国家検定で、技能検定に合格すると「技能士」を名乗ることができます。
鉄工では、経験を積んで2級鉄工技能士 → 1級鉄工技能士など、より高い技能レベルを目指すことができます。
また、担当業務によっては、
- アーク溶接関係
- ガス溶接関係
- 玉掛け
- クレーン関係
などの資格・講習が役立ちます。
資格を取得することで担当できる業務の幅が広がり、将来的には職長や管理者を目指すキャリアにもつながります。
鉄工に向いている人
鉄工は特に次のような人に向いています。
① ものづくりが好きな人
自分が加工・組立した鉄骨が建物や設備の一部として長期間使われるため、ものづくりが好きな人には大きなやりがいがあります。
② 細かい作業が得意な人
鉄工では寸法や加工位置を正確に確認する必要があります。「だいたい」ではなく、図面どおりに作る正確性が重要です。
③ 体力に自信がある人
大型の鋼材を扱う現場では、立ち仕事や身体を動かす作業が多くなります。
④ チームワークを大切にできる人
大型製品の製作では複数人で作業することが多いため、周囲との連携や安全確認が欠かせません。
⑤ 技術を身につけたい人
溶接、図面、機械操作など、経験を積むほど専門性を高められる仕事です。
鉄工の仕事はきつい?
鉄工は専門技能を身につけられる一方、決して楽な仕事ではありません。
工場では立ち仕事が多く、重量物を扱う場合があります。
また、溶接作業では熱や光が発生し、切断・研削作業では火花や騒音が発生することもあります。
そのため、
安全靴・ヘルメット・保護メガネ・手袋などの保護具を正しく使用し、安全ルールを守ることが非常に重要です。
一方、設備の自動化や安全装置の普及などにより、以前と比べて作業環境の改善も進められています。
鉄工と溶接工の違いは?
「鉄工」と「溶接工」は混同されやすいですが、仕事内容の範囲が異なります。
鉄工は、鋼材の切断、穴あけ、曲げ、組立、溶接、検査など、鉄製品や鉄骨を製作する幅広い工程を担当します。
一方、溶接工は金属同士を熱などによって接合する「溶接」を専門とする職種です。
つまり、鉄工の仕事内容の中に溶接が含まれるケースがあります。
鉄工として経験を積みながら溶接技術を高め、溶接の専門技能者としてキャリアアップすることも可能です。
鉄工の将来性は?
鉄工は今後も一定の需要が期待できる職種です。
鉄骨は、
- ビル
- 工場
- 倉庫
- 商業施設
- 橋
- 大型構造物
など、さまざまな建築物・インフラで使用されています。
さらに鉄骨は建築物ごとに設計や仕様が異なり、完全な大量生産が難しいという特徴があります。
厚生労働省のjob tagでも、加工工程の自動化が進んでいる一方、組立や矯正などでは経験や技能に頼る部分が残っており、鉄骨製作には一定の需要があるとされています。
また、関連職種のハローワーク有効求人倍率が7.64倍となっていることからも、技能を持つ人材への需要の高さがうかがえます。
今後は単純作業だけではなく、
「溶接ができる」「図面が読める」「CADが使える」「加工機械を操作できる」「品質管理ができる」
といった複数の技能を持つ人ほど、活躍の場を広げやすいでしょう。
外国人も鉄工の仕事で働ける?
外国人が日本で鉄工関連の仕事をする場合、仕事内容や受入れ企業の産業分類などによって、利用できる在留資格を個別に確認する必要があります。
特定技能制度では、**「工業製品製造業分野」**に「機械金属加工」などの業務区分があります。
出入国在留管理庁によると、機械金属加工では、指導者の指示を理解し、または自らの判断により、素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事します。
ただし、会社で「鉄工をしている」というだけで自動的に特定技能の対象になるわけではありません。
実際に行う業務内容、事業所の産業分類、特定技能制度上の要件などを確認する必要があります。
外国人採用を検討している企業は、申請前に対象可否を確認することが重要です。
鉄工のキャリアアップ
鉄工の魅力の一つは、経験を積むことで専門性を高められることです。
例えば、
未経験・補助作業
↓
加工機械オペレーター
↓
組立・溶接作業
↓
鉄工技能士などの資格取得
↓
熟練技能者
↓
職長・現場リーダー
↓
品質管理・製造管理
といったキャリアが考えられます。
さらにCADや図面作成、溶接、クレーンなど複数の技能を習得すれば、担当できる仕事の幅も広がります。
「手に職をつけて長く働きたい」という人にとって、経験そのものが大きな強みになる仕事です。
まとめ|鉄工は技術を身につけて長く働けるものづくりの仕事
鉄工は、鉄や鋼材を加工し、建築物や構造物を支える重要な部材を作る仕事です。
切断や穴あけだけではなく、図面確認・機械加工・組立・溶接・検査まで幅広い技能が求められます。
厚生労働省の公的データでは、関連職種の平均年収は506.6万円、ハローワークの有効求人倍率は7.64倍となっており、人材需要の高さが特徴です。
未経験からスタートすることも可能で、経験を積みながら溶接技術や鉄工技能士などの資格を取得することで、熟練技能者や職長、製造管理などへのキャリアアップも目指せます。
機械化・自動化が進む現在でも、人の経験や判断が必要な工程は残っています。
**「ものづくりが好き」「専門技術を身につけたい」「製造業で長く働きたい」**という人にとって、鉄工は将来の選択肢の一つとなるでしょう。
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